現状の避雷設備は避雷針あるいは他の方法で雷エネルギーを放電させ、建物や施設を防護するものです。
雷エネルギーを放電させるときに雷サージが発生し、電子機器を防護する為の雷サージ機器が欠かせませんが、十分に防護するのは非常に困難です。
避雷針方式
建造物の上部に突針を持った避雷針又は棟上げ導体を接地します。これと接地極を下降導体で接続するか、又は建造物自体の鉄筋に結び接地します。
しかし現代の電子機器の耐圧は益々低くなり雷サージに弱くなっている為、鉄筋に流れる雷サージ電流により誘起された電圧で破壊されてしまう可能性が高くなっています。
独立避雷針方式
防護したい領域の近くに高い鉄塔を建て、その先端に避雷針を設置するものです。原理上は60度の範囲は防護される事になります。
しかし2003年7月の建築基準法が改正され、回転球体法で計算すると、非常に近傍により高い鉄塔を設置しなければなりません。但し、SS-MCLIRSを使用する事で可能となります。
避雷針への電撃による大地雷位の上昇
避雷針に落雷があると接地極を通して雷電流が大地に流れ込むため、大地電位が上昇します。接地極の接地抵抗をR(Ω)とすると雷電流をI(A)、とすると、接地点の大地雷位の上昇E(V)は
E=R・I
で表され、I=35KA、R=10Ωの場合、接地点の大地電位は350KVに上昇することになり、他地点の接地との間に異常電圧が表れます。
特に今までのアースは独立アースとなっており、電源・通信・筐体等のアース間に電位差が表れ機器が破損をしている。近年では各アース間の電位差 を無くす為、1点アースが採用されていますが、避雷針の接地方法により独立接地が有効に作用する事が確認されました。
大地電位上昇による被害の防止
対策:接地電極を極力遠方に接地する
図(C)のように、接地電極に雷電流が流れた場合、その近傍の電位は次式で表されます。
半球の半径rは距離Xより十分小さくr≪xとして
Vx=ρI/2πx
Vx:接地電極からx(m)離れた地点の電位、ρ:大地抵抗率(Ω・m)、I:接地電極に流入する電流(A)、x:接地電極からの距離(m)
いま、ρ=100Ω・m、I=30KAとしてxとVxの関係を上記の式から求めると図(d)のようにxに反比例して小さくなります。
接地電極からの5m以上離れた位置は電位上昇が少なく、影響が少なくなります。


