雷雲の発生と雷放電(落雷)

地上の天気に直接関連する気象現象はもっぱら対流圏で起こります。日本では対流圏の高さは夏季は地表から12km~16km、冬期は1km~8km(日本海側の冬季雷は低い)と季節により変化します。対流圏では1km上昇すると気温が平均6.5℃下降します。

地表付近に温度の高い空気があり、上層に乾燥した低温の空気があるときは、上昇気流が発生し、上空に行くにしたがい温度が下がる偽水蒸気が凝結し水滴となります。凝結した水滴はさらに上空で、霰(あられ)、ひょう、少氷片となります。一般に霰(あられ)、ひょうはマイナスの電荷を、少氷片はプラスの電荷を帯電します。プラスに帯電した少氷片は上昇気流により雲の上部に運ばれ、マイナスに帯電した霰(あられ)、ひょうは、重力により落下する為、雲内の電荷分布は上層部はプラス、下層部はマイナスとなります。

この雲は、通常の場合には雷放電を起こすには至りませんが、この電荷分離、すなわち発電作用がきわめて大きい場合、雷雲となり空気の絶縁を破壊して雷放電を起こします。雷放電は雲と雲の間や雲と大地の間に起こります。

雷雲は、以上の他、暖かい空気と冷たい空気が接する寒冷前線や、台風・勢力の強い低気圧による上昇気流によっても発生します。

雷害対策:雷雲のライフサイクル

雷雲のライフサイクル

雷雲は、発生から消滅まで幼年期、青年期、老年期と分けると、以下のようになります。

幼年期の雷雲は成長しつつある積雲(入道雲)で、雲内にはいたるところに上昇気流があり、あられやひょうの激しい降水が観測されますが、上昇気流に支えられ地表には届きません。
 
この雲が発達すると青年期になり、降水粒子が一層大きくなって強い雨が降りはじめます。この状態を積乱雲といい、この時期にもっとも盛んに雷放電が起こり、15~30分続きます。
 
やがて雲内では上昇気流が衰え下降気流が広がり、また雨も弱くなります。そして老年期となり、雨も20分程度で止み雷雲は消滅します。雷雲内では、最初に成長した雷雲細胞の隣に次の細胞が成長し、いわゆる細胞の若返りが起こって雷雲細胞が次々と発生・成長・消滅していて、全体として雷雨活動を持続し移動します。

以上を総合すると、雷雲の寿命は十数分~数時間程度で、水平方向の大きさは数Km~数十kmといわれています。

落雷の頻度

落雷の頻度は地域、地形、そしてその施設の位置、周囲条件他で異なり、さらに雷の性質によっても異なります。
雷は多い地域と少ない地域があり、雷の多い少ないは、一般的に「年間雷雨日数」で表されます。これは一日に一度でも雷鳴をきけば雷雨日数1と数え、1年間雷鳴を聞いた日が何日あったかで表します。
日本では、北関東の山地、濃尾平野の北部、近畿地方の鈴鹿山脈を中心とした地域、中国地方の山地、九州地方の山地及び秋田県から福井県までの日本海沿岸は冬季雷が多く、「年間雷雨日数」は大体30~40日です。

  1. 雷被害と対策(雷害対策)
  2. 雷害の形態
  3. 雷サージと被害の発生
  4. 現状の避雷設備と問題点
  5. 避雷システム
  6. 雷被害の基本的対策
  7. 対策の具体例